『K-POPガールズ!デーモンハンターズ』世界で大バズり!癒し系神獣キャラのルーツを解説

Netflixで配信中のアニメ『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』は、リリース直後から世界中で注目を集めています。

この物語に登場する、個性的なコンビキャラクター「ダフィ」(虎)と「ソッシ」(カッチ)に惹かれた方も多いのではないでしょうか。敵キャラ「ジヌ」に付き従いながらも、どこか愛嬌のある彼らは、作品のマスコット的な存在として視聴者の印象に残ります。

彼らの正体は何者なのか? そのルーツや背景にある韓国の伝統文化、さらには物語の舞台であるソウルとのつながりを紐解いていきます。

☝️登場人物の元ネタはだれ?作品が10倍楽しめる解説記事はこちらです!

【ダフィ】韓国の伝統絵画に登場する虎がモチーフ

作中でジヌの従者として登場する虎の「ダフィ」と鳥の姿をした「ソッシ」は、朝鮮時代に描かれていた伝統的な民画『鵲虎図じゃっこず 』に描かれる虎とかささぎをモチーフにしているとされています。

韓国で虎は“恐ろしくも親しみやすい存在”?

韓国の神話や美術において、虎は「強さ」「権威」「守護」を象徴する重要な存在です。かつては、朝鮮虎(コリアン・タイガー)と呼ばれるアムールトラの亜種が韓半島の山岳地帯に生息していましたが、現在では野生絶滅種とされています。

それでも虎は、民画『鵲虎図(チャクホド)』や数々の民話に描かれ続けており、文化の中で“生き続けている動物”です。特に『鵲虎図』では、威厳ある虎ではなく、どこかとぼけた顔の虎が描かれることが多く、権力への風刺や民衆のユーモアを反映した存在とされています。

朝鮮時代に描かれていた伝統的な民画『鵲虎図じゃっこず 』に描かれる虎とかささぎ

ダフィもまた、筋肉質な体格や鋭い牙といった虎らしさを持ちながら、どこか抜けた雰囲気や愛嬌のある表情が印象的です。
制作スタッフのコメントによれば、その動きにはデザイナーが飼っている猫のしぐさが反映されているとのこと。
猫のようなしなやかさや柔らかい所作が加わることで、リアルな動物らしさと異世界的な神秘性が共存する、不思議な魅力を持ったキャラクターに仕上がっています。

INFO
国立中央博物館から販売されている今や入手困難な韓国民画『鵲虎図』をモチーフにしたカッチ&虎のピンバッジの写真


アニメの元ネタとなった韓国民画『鵲虎図』をモチーフにしたカッチ&虎のピンバッジが、国立中央博物館から販売され話題に。可愛らしいデザインがSNSで人気を呼び、入手困難になるほどの反響を集めました。

現在は韓国の一部ショップやネットで再販も。
さらに『K-POPデーモン・ハンターズ』の公式グッズもNetflix Shopなどで購入可能です。

【ソッシ】は韓国の象徴的な鳥“かささぎ”がモチーフ

もうひとつのキャラクター「ソッシ」も、先述の民画『鵲虎図(チャクホド)』に描かれる鳥「カッチ(カササギ)」をベースにデザインされています。
カッチは、韓国では“吉報を運ぶ鳥”として古くから親しまれており、朝鮮時代の宮廷や民画にも、知恵や幸福の象徴として度々登場してきました。

アニメの中では、穏やかでどこか抜けた印象のあるダフィーとは対照的に、ソッシは冷静で頭の切れるキャラクターとして描かれており、ジヌの補佐役として常に行動を共にしています。

また、ソッシの特徴的な「かぶりもの」は、もともとジヌがダフィーに与えたものを、ソッシが奪い取ったという裏設定があるなど、さりげないユーモアも取り入れられています。

さらに話題になったのが、彼の目のデザイン。Galaxyスマートフォンのカメラに似ていることから、ネット上では「Galaxyカッチ」というミームが生まれ、実際にサムスンのコラボプロモーションにもつながったほどの注目度を見せています。

韓国では知恵と吉兆の象徴とされるかささぎをモチーフにしたキャラクター「ソッシ」Samusungのコラボが実現

舞台ソウルとキャラクターのつながり

韓国ソウル・北村韓屋村(ブッチョンハノクマウル)の伝統家屋と背景に広がる高層ビル群
ソウル・北村韓屋村:伝統と現代が交差する象徴的ロケーション

物語の舞台となるソウルは、作品にとって単なる背景ではなく、キャラクターたちの存在とも深く結びついた象徴的な空間として描かれています。
実際、『鵲虎図(チャクホド)』に登場する虎とカッチも、かつての首都・漢陽(現在のソウル)を舞台に発展してきた文化を背景にしています。

アニメの中では、現代の都市風景と伝統的な建物が入り混じるソウルの街並みが、キャラクターたちの行動や演出と巧みにリンクしており、韓国らしい“美しさと信仰”のバランスが視覚的に表現されています。

※ アニメに描かれた具体的なソウルの街の風景やロケ地に関する記事はこちらです。

まとめ|“こわかわ”キャラが作品と韓国文化の架け橋に

虎の「ダフィ」とカッチの「ソッシ」は、冥界と現世を行き来する異形の存在でありながら、その“こわかわいさ”で視聴者の心をつかんだ魅力的なキャラクターです。
暗黒世界に堕ちた主人公ジヌに寄り添いながらも、どこかに残る良心を象徴するような姿が印象的でした。

『K-POPガールズ!デーモンハンターズ』は、韓国の民話や伝統絵画をルーツに、現代的なアニメとして文化の深層を“翻訳”した作品です。
中でもダフィとソッシのユーモラスな掛け合いやビジュアルは、単なるマスコットを超え、作品の雰囲気をやわらげる“潤滑油”として活躍。
その姿はまるで韓国という国そのものをナビゲートする案内人のようでもあります。

韓国の伝統文化・テクノロジー・K-POPが融合したこの作品は、視聴者の韓国文化への関心を自然に高め、ソウルという都市の魅力までも世界に伝える役割を果たしています。

実際にキャラ人気は韓国国内にとどまらず、子どもから大人まで幅広い層に支持され、
「子どもがデモハンを観たいと言ったからNetflixに加入した」という声も上がるほど。
グッズも即完売が続出し、社会現象といえる反響を呼んでいます。

こうした現象は、まるでカッチがもたらす“吉報”のよう。
作品の余韻が大きく残るのは、ダフィとソッシが脇役にとどまらない、物語の核を支える存在だからこそです。

今後のグッズ展開や続編でも、彼らがどんな姿を見せてくれるのか──期待が高まりますね。

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