鬼滅の刃 無限城編が韓国で大ヒット|史上最速400万人突破レビュー

映画『鬼滅の刃 無限城編』の韓国での大ヒットを伝えるアイキャッチ画像。ポスターの猗窩座のアップと、右側に「韓国で史上最速 400万人突破 レビュー」と強調した文字。

2025年夏、『鬼滅の刃 無限城編』がついに公開されました。公開直後から韓国でも大ヒットとなり、映画館には若い世代を中心に多くの観客が集まり話題を呼んでいます。

私自身は、今回この作品を大学生になった上の娘と一緒に観ました。4年前に「無限列車編」を映画館で下の娘と観た記憶がよみがえり、作品の成長とともに子供たちの成長も重なって幸せな気分です。映画そのものの迫力はもちろんですが、子供の成長は親からの独立でもあり、つい感傷的になる子供との距離感が取り払われる時間でもあります。父親にとって映画館での時間は特別だと改めて気づいた瞬間でした。

父親の感傷話しはここまでにして、この記事では韓国での観客の反応や動員数、日本での興行成績、さらにソニーグループが同時期に打ち出した異なる戦略について整理してお伝えします。

韓国での反応と観客動員数

無限城編は公開初日だけで約51万8千人を動員し、韓国映画市場に大きなインパクトを与えました。その後も勢いは止まらず、公開からわずか3日間で164万人を突破。さらに18日目には400万人超えを達成し、韓国で公開された日本アニメ映画として異例のスピードで動員数を伸ばしています。

映画館では、涙を流す観客や迫力の映像に歓声を上げる観客が目立ち、IMAXや4DXなど大画面上映で鑑賞した人からは「圧倒された」「心臓が飛び出そうだった」といった感想がSNSに溢れています。また、韓国ではエンドロールを最後まで観る人が多く、日本とはまた違う熱気が劇場を包んでいました。

韓国歴代アニメ映画 興行成績 TOP10

ここで、韓国で公開された日本アニメ映画の動員数ランキングを見てみましょう。無限城編がどの位置にあるのか一目で分かります。

1位 すずめの戸締まり 約5,500,000人
 ※ 2023年公開、日本アニメ映画として韓国史上最高動員数
 出典:Wikipedia韓国映画市場リスト

2位 The First Slam Dunk 約4,500,000人
 ※ 2023年公開、社会現象級の大ヒット
 出典:KinoLights

3位 鬼滅の刃 無限城編 4,000,000人突破(公開18日目時点)
 ※ 2025年公開、18日で400万人突破は異例のスピード
 出典:Forbes Japan

4位 君の名は。 約3,700,000人
 ※ 新海誠作品として韓国で大ヒット
 出典:Korea Times

5位 名探偵コナン 劇場版シリーズ 約2,000,000人前後
 ※ 作品によって差はあるが、200万人超えの作品が複数

6位 鬼滅の刃 無限列車編 約2,200,000人
 ※ 2021年公開、当時の大記録
 出典:Daily Shincho

7位 ONE PIECE FILM RED 約1,000,000人強
 ※ 2022年公開、韓国でも一定の人気

8位 呪術廻戦 0 約600,000人
 ※ 新世代アニメ作品として注目

9位 風立ちぬ(ジブリ) 約500,000人前後
 ※ 韓国でも評価が高かった作品

10位 千と千尋の神隠し(再上映含む) 約400,000人前後
 ※ ジブリの名作として長く愛され続けている

この表から分かる通り、『鬼滅の刃 無限城編』は公開から18日という短期間で400万人を突破し、歴代3位にランクインしています。スピード感では他の作品を大きく上回り、韓国でもトップクラスの人気を証明しました。

日本での興行成績と比較

日本国内でも『無限城編』は280億円を超える興行収入を記録しており、4年前の『無限列車編』との比較でも話題を呼んでいます。韓国と比べると、日本ではより長期的に観客を集める傾向があり、両国の観客の鑑賞スタイルの違いが浮き彫りになります。

レビュー文化の面でも違いがあります。韓国ではSNSで熱量の高い好意的な感想が多数を占めるのに対し、日本では批判や分析的なレビューも多く見られ、同じ作品でも受け止められ方に差が出ているのは興味深い点です。

SONYグループのグローバル戦略比較

今回の無限城編の公開と同時期に、ソニー・ピクチャーズ アニメーションが手掛けた『K-POP デーモンハンターズ(ケデハン)』もNetflixで世界配信されました。ソニーグループは音楽部門と映像部門を両輪に持ち、異なる戦略で市場を攻めています。

『鬼滅の刃 無限城編』は、既存人気IPをさらに深化させる戦略。アニプレックス(ソニー・ミュージック傘下)を中心に、日本国内外のファン基盤を最大限活かす形で展開されました。一方、『K-POP デーモンハンターズ』は、K-カルチャーの勢いを背景に新しいIPを創出し、グローバル市場に拡張していく戦略が取られています。

同じソニーグループから同時期にリリースされた2つの作品。無限城編は「深化型」、ケデハンは「拡張型」と言えるでしょう。この二本柱を市場に並行投入することで、ソニーは日本の強固なアニメIPと韓国カルチャーの拡散力を掛け合わせ、世界市場での存在感を高めています。

まとめ

『鬼滅の刃 無限城編』は、韓国で公開18日目にして400万人を突破し、歴代アニメ映画の動員ランキングで堂々の3位にランクインしました。スピード感と観客の熱気は、日本アニメの受容が韓国でいかに拡大しているかを示す象徴的な出来事です。

さらに、日本での興行成績や、同時期に展開されたソニーグループのマーケット戦略との比較を通じて見えてくるのは、アニメ映画が単なる娯楽を超えて「国境を越えた文化IP」として成長しているという事実です。レビューを通じて、その歩みを数字と体験から実感できました。

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